必要な情報を、迷わず確認できる形に

訪問介護事業所のホームページに載せる内容|開業前の公開チェック

訪問介護事業所のホームページを開業前に用意するときは、写真やデザインを選ぶ前に「誰が、何を確認するために見るか」を整理します。利用を検討する本人・家族と、連携先のケアマネジャーでは知りたい内容が少し違います。基本情報、相談方法、公開できる写真、制度上の掲載事項を分けて準備すると、問い合わせに答えやすい案内になります。

小規模な訪問介護事業所で職員がホームページの画面と公開チェックリストを確認するイメージ
画面の見た目とあわせて、情報の確かさと連絡方法を確認します。画像はイメージです。

最初に「利用相談」と「連携先の確認」を想定する

本人や家族には、どの地域で、どんな相談を受け付け、どこへ連絡すればよいかが伝わるようにします。ケアマネジャーなどの連携先には、所在地、連絡先、サービス提供地域、相談窓口を探しやすくします。採用の問い合わせも受けるなら、利用相談とは入口を分けると担当へ取り次ぎやすくなります。

最初から多くのページを作る必要はありません。事業所紹介、サービス案内、問い合わせ方法を読みやすく整理し、確認済みの情報から公開する方法もあります。以下は広報実務の提案であり、ホームページに一律で求められる法定項目の一覧ではありません。

訪問介護事業所のホームページに載せる内容

内容掲載する情報の例原稿確認のポイント
事業所・法人の紹介名称、所在地、運営法人、事業所の方針申請書類や契約書類と表記をそろえる
サービス案内提供する支援の概要、相談から利用までの流れ対応できる内容と個別相談が必要な内容を区別
地域・時間サービス提供地域、営業日、相談受付時間受付時間と実際のサービス提供時間を混同しない
連絡方法電話、問い合わせフォーム、連携先向け窓口担当者、不在時対応、返信の目安を決める
費用の案内相談時に説明する費用の種類、確認方法最新の説明資料と整合し、条件を省略しない
アクセス・写真地図、建物の入口、事務所内の雰囲気位置の誤り、写り込み、写真の使用権を確認
重要事項等への入口掲載資料や情報公表システムへの案内必要な内容、掲載先、更新日を所管案内と照合

電話番号や所在地は画像の中だけに入れず、文字でも掲載すると確認・修正しやすくなります。費用や支援内容は、短い宣伝文だけで断定せず、利用条件を確認できる案内につなげます。「必ず対応」「いつでも利用可能」といった表現は、実際の体制や個別調整と食い違わないか見直しましょう。

問い合わせ先は、受け取った後の動きまで決める

フォームを作る場合は、最初の相談に必要な項目に絞り、利用目的を分かる場所に示します。詳細な病歴や介護記録を初回から自由入力で求める運用は避け、詳しい情報をどう受け取るか別途決めます。送信完了画面、通知先、担当者不在時の確認方法も準備してください。

公開前には自分たちでテスト送信し、受信・返信まで通します。電話や回線の準備は電話・FAX・ネット・介護ソフトの準備と合わせて確認します。これは実務上の確認手順です。

開業前は「予定」と「確定」を見分けられる表示にする

開業準備中の案内では、開業予定日、相談受付の開始日、サービス提供の開始日を整理します。指定手続きや人員確保の状況によって変わる情報は「予定」「調整中」と明記し、指定を受けたように読める表現にしないことが大切です。未確定の指定番号や対応地域を仮のまま載せないようにします。

例えば「○月開業予定・利用相談の受付方法は決まり次第掲載」と案内し、確定後に日付と相談窓口を更新する方法があります。これは表示を整理する例で、個別の申請状況について公開の可否を判断するものではありません。申請や指定に関わる表記は、開業準備チェックリストと所管窓口の案内を照合します。

重要事項のウェブ掲載と、独自サイトの制作を分けて考える

名古屋市の令和8年度の案内では、運営規程の概要等の重要事項について、令和7年度から原則としてウェブサイトでの掲載・公表が必要と説明されています。掲載先として法人のホームページ等と介護サービス情報公表システムが示されています。したがって、独自サイトを制作することだけを必要な対応と考えず、何をどこで公表するか確認します。

適用範囲や例外、必要な掲載内容、開業時の対応時期は、事業所の所在地を管轄する指定権者の最新案内で確認してください。資料の名前だけで判断せず、現在の運営規程や説明内容と一致するか確認し、誰でも閲覧できる公開先を用意します。

介護サービス情報公表制度への報告は別に管理する

厚生労働省は、利用者が事業所やサービスを比較・検討するための仕組みとして介護サービス情報公表制度を案内しています。独自ホームページを公開しても、対象事業所に必要なシステムへの報告まで完了したことにはなりません。報告対象、期限、入力方法は自治体の当年度の案内で確認し、サイト制作の工程表とは別に期限を記録します。

掲載資料を更新したら、サイト上のリンクが古いファイルを指していないか確認します。事業所の名称、連絡先、営業日等を変更したときは、ホームページと公表情報、配布資料の更新先をまとめて点検しましょう。

写真は、使用権と個人情報の両方を確認する

事業所の入口や相談スペースの写真でも、机上の書類、ホワイトボード、パソコン画面、郵便物に個人情報が写り込むことがあります。撮影前に片付け、公開する画像を拡大して確認します。職員写真は掲載目的と掲載先を説明し、利用の了承を確認してから使う運用にします。

個人情報保護委員会の医療・介護関係事業者向けQ&Aでは、個人を識別できる利用者写真をホームページ等に掲載する場合、本人の同意が必要とされています。撮影への同意だけで公開まで認められたと判断せず、公開先、目的、掲載期間、取り下げの相談窓口を確認して記録します。判断に迷う場合は公開を保留し、個別の事情を確認してください。

素材写真や生成画像を使う場合も、実際の職員・利用者・事務所と誤認させない表示にします。画像の利用条件や人物の扱いを確認し、イメージであることを明記すると、紹介文との食い違いを防げます。

公開前チェック|スマートフォンで連絡までたどる

  • 名称・所在地・電話番号が確認済みの資料と一致する
  • 予定の情報と確定情報が区別されている
  • 受付時間とサービス提供時間の表記を確認した
  • スマートフォンで文字・写真・表を読める
  • 電話リンク、問い合わせ送信、受信・返信を確認した
  • 重要事項等の掲載先と資料の内容を確認した
  • 写真の了承・使用権・写り込みを確認した
  • 地図、外部リンク、PDFが開くことを確認した
  • 更新担当と修正が必要なときの連絡先を決めた

公開後に困らない更新表を作る

更新表は「情報の項目/掲載場所/確認元/担当/確認日/次に確認する時期」で作れます。例えば、電話番号はホームページ・チラシ・公表情報に掲載されるため、変更時に三つを点検する形です。更新日だけを書き換えるのではなく、実際に内容を照合した日を残します。

サイトの管理画面、ドメイン、契約先の情報も事業所で管理し、特定の担当者だけが更新できる状態を避けます。パスワードは更新表に直接書かず、適切な方法で別に管理します。広報の原稿は営業チラシの作り方と共通の基本情報を使うと、媒体間の表記をそろえやすくなります。

ホームページ準備のよくある質問

訪問介護事業所は独自のホームページを必ず作る必要がありますか?

重要事項のウェブ掲載は原則として必要ですが、掲載先には法人のホームページ等のほか介護サービス情報公表システムもあります。独自サイトの制作と制度上の掲載・報告は分けて考え、適用範囲や掲載方法は指定権者の最新案内で確認します。

指定を受ける前に開業案内を公開してもよいですか?

準備状況を案内する場合は、開業予定と指定済みの情報を混同しない表示にします。未確定の日程や提供体制は予定・調整中と明記し、指定番号など確定していない情報は掲載しません。

利用者の写真をホームページに掲載できますか?

個人を識別できる利用者写真のホームページ掲載には、個人情報保護委員会のQ&Aで本人の同意が必要とされています。撮影への同意と公開への同意を分け、掲載先・目的・期間を確認して記録します。